東北大学大学院工学研究科次世代航空機研究センター関係各位 【お知らせ】 2020年4月より,スーパーコンピュータ「富岳」を使った文部科学省・「 富岳」成果創出加速プログラム「航空機フライト試験を代替する近未来 型設計技術の先導的実証研究」が立ち上がり,研究開発を進めています. 「富岳」は先日の世界のスーパーコンピュータの性能ランキングTOP500、 HPCG、HPL-AIにおいて世界第1位を獲得しています. https://www.mext.go.jp/content/20200228-mxt_jyohoka01-000005354_01.pdf スーパーコンピュータ「富岳」TOP500、HPCG、HPL-AIにおいて世界第1位を獲得 https://www.riken.jp/pr/news/2020/20200623_2/ 【本センターに関する論文のご紹介】 [題目] :Experimental investigation on compressible flow over a circular cylinder at Reynolds number of between 1,000 and 5,000 (レイノルズ数1,000から5,000までの領域における円柱周りの圧縮性流れに 関する実験的研究) [著者] :T. Nagata, A. Noguchi, K. Kusama, T. Nonomura, A. Komuro, A. Ando and K. Asai [雑誌名他(URL等)] :Journal of Fluid Mechanics, Vol. 893, 25 June 2020, A13 DOI: http://dx.doi.org/10.1017/jfm.2020.221 [概要] :低密度風洞を用いて、円柱周りの圧縮性低レイノルズ数流れを 実験的に調べた。円柱の直径を基準にしたレイノルズ数が1,000から5,000 までの領域で、一様流マッハ数を0.1から0.5まで可変し、高速度シュリー レン、感圧塗料、天秤による計測を行った。実験の結果、10の3乗のオーダ ーのレイノルズ数域において、圧縮性による幾つかの特徴的な影響が明ら かになった。高速度シュリーレンによる可視化結果より、カルマン渦の放 出開始点、渦放出のストローハル数、再循環領域の最大幅に対するマッハ 数の効果が、レイノルズ数約3,000前後で、傾向を大きく変えることがわ かった。さらに、感圧塗料による計測結果より、レイノルズ数約3,000で かつマッハ数が高い領域で、円柱の表面圧力変動にスパン方向の位相差が 生じることがわかった。この現象は、圧縮性の影響で剥離せん断層に生じ る斜め不安定モードの伝播によるものだと考えられる。渦放出のストロー ハル数はレイノルズ数とマッハ数の両方に依存し、それらの関係は非線形 であるが、再循環領域の最大幅を長さのスケールとして、無次元量を再定 義すると、すべてのデータが相関して1本の線にまとまる。同様に、抵抗 係数についても、再循環領域の最大幅とプラントル・グロワートの法則で 整理できることが明らかになった。 【連絡先】 東北大学 大学院工学研究科 次世代航空機研究センター事務局 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01 TEL: 022-795-7998 FAX: 022-795-7998 E-mail: next@klab.mech.tohoku.ac.jp URL: http://www.next.mech.tohoku.ac.jp/ (*)本メールへの返信はご遠慮頂き、お問い合わせは上記アドレスにお願いします。