東北大学大学院工学研究科次世代航空機研究センター関係各位 【お知らせ】 1) 日本航空宇宙学会 空気力学部門に発足した「高レイノルズ数空力」研究会の活 動の一環として,2018年7月4日(水)-6日(金)に宮崎で開催されます第50回流体力 学講演会/第36回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウムにて,企画セッ ション「高レイノルズ数流れと空気力学」を開催します.高レイノルズ数流れや空気 力学に関する実験及び数値解析研究の議論の場として,是非ご参加いただければ幸い です. 学会ホームページ:http://branch.jsass.or.jp/aerocom/ryu/ryu50/ 「高レイノルズ数空力」研究会ホームページ: http://branch.jsass.or.jp/aerocom/activities/seminar/high_re/ 【本センターに関する論文の紹介】 [題目] :Numerical simulation of progressive damage and failure in composite laminates using XFEM/CZM coupled approach [著者] :R. Higuchi, T. Okabe, T. Nagashima [雑誌名他(URL等)] :Composites Part A: Applied Science and Manufacturing [概要] :構造解析で広く用いられる有限要素法(FEM)においては,変位とひずみを 関係づけるBマトリクス,ひずみと応力を関係づけるDマトリクスを用い,各要素に特 徴を持たせられるのが最大の魅力である.拡張有限要素法(XFEM)とは,連続体内部 のき裂等による不連続性を,Bマトリクスを局所的に修正することで取り扱う手法で ある.これにより,要素内に不連続場を導入でき,き裂進展などの不連続問題をリ メッシュなく解くことができる.この点がXFEM最大の魅力であり,本手法は近年,複 合材料の損傷進展解析の分野で高い注目を集めている.本論文では,炭素繊維強化プ ラスチック(CFRP)積層板を対象とし,XFEMを用いた高精度な強度予測ツール開発に 取り組んだ.具体的には,CFRPの層内き裂をXFEMにてモデル化し,さらにCFRP特有の 静水圧依存の弾塑性応答,繊維破断の寸法依存性,成型時の熱残留応力といった複合 材料特有の性質を考慮することで,強度予測の高精度化を試みた.特に,静水圧依存 性弾塑性構成則を組み込んだ三次元XFEM解析は世界初の試みである.検証解析として 実施した円孔材引張解析においては全積層構成において,強度の予測精度は±10%未 満であり,先行研究と比して非常に高精度での予測を達成した.本成果は複合材料の 強度解析における提案手法の有用性を示すものである.また,感度解析によって,塑 性変形や熱残留応力が強度へ及ぼす影響についても言及している. 【連絡先】 東北大学 大学院工学研究科 次世代航空機研究センター事務局 星 杏奈(Anna Hoshi) 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01 TEL: 022-795-7998 FAX: 022-795-7998 E-mail: next@cfd.mech.tohoku.ac.jp URL: http://www.next.mech.tohoku.ac.jp/ (*)本メールへの返信はご遠慮頂き、お問い合わせは上記アドレスにお願いします。