東北大学大学院工学研究科次世代航空機研究センター関係各位


【お知らせ】
１) 日本航空宇宙学会 空気力学部門に発足した「高レイノルズ数空力」研究会の活
動の一環として，2018年7月4日（水）-6日（金）に宮崎で開催されます第50回流体力
学講演会/第36回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウムにて，企画セッ
ション「高レイノルズ数流れと空気力学」を開催します．高レイノルズ数流れや空気
力学に関する実験及び数値解析研究の議論の場として，是非ご参加いただければ幸い
です．
学会ホームページ：http://branch.jsass.or.jp/aerocom/ryu/ryu50/
「高レイノルズ数空力」研究会ホームページ：
http://branch.jsass.or.jp/aerocom/activities/seminar/high_re/

【本センターに関する論文の紹介】
[題目] : Wall-modeled large-eddy simulation of transonic airfoil buffet at
high Reynolds number
[著者] : Yuma Fukushima and Soshi Kawai
[雑誌名他] : AIAA Journal, in press (available online, articles in advance),
2018; https://doi.org/10.2514/1.J056537
[概要] : 現在，学術的にも航空機空力設計という工学的な観点からも次世代の航空
機空力設計ツールとして，準第一原理的に流れをシミュレートするlarge-eddy
simulation (LES)による航空機フライトエンベロープ全域の高精度な空力・流れ場予
測手法の開発が着目されている．特に高速飛行側のフライトエンベロープ境界にあた
る，遷音速バフェット現象の実機レベル高レイノルズ数条件におけるLES予測は，
チャレンジングな課題として知られている．LESで実機レベルの高レイノルズ数流れ
を直接解析することは次世代のスパコンを使用しても不可能であり，レイノルズ数依
存性の強い壁近傍の境界層内層域における乱流のモデル化が不可欠となる．また加え
て，遷音速バフェット現象では衝撃波-乱流境界層干渉剥離流れがキーとなるため，
圧縮性乱流に対する高精度な数値計算スキームも必須となる．本論文は，著者らがこ
れまで提案してきた圧縮性乱流の高精度解析を可能とする高次精度数値計算スキーム
(LAD法)と，内層乱流を常微分方程式でモデル化する壁面モデルLESを併用すること
で，アドホックなチューニング無しに高レイノルズ数遷音速バフェット現象のLES解
析に(著者の知る限り初めて)成功し，その可能性を示したものである．またLES解析
結果から遷音速バフェット現象の物理メカニズムについても言及している．


【連絡先】
東北大学 大学院工学研究科 次世代航空機研究センター事務局
星 杏奈（Anna Hoshi）
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01
TEL: 022-795-7998 FAX: 022-795-7998
E-mail: next@cfd.mech.tohoku.ac.jp
URL: http://www.next.mech.tohoku.ac.jp/
(*)本メールへの返信はご遠慮頂き、お問い合わせは上記アドレスにお願いします。