東北大学大学院工学研究科次世代航空機研究センター関係各位 【お知らせ】 「富岳」成果創出加速プログラム「第5回HPCものづくり統合ワークショップ」を主催 東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センターと共催で開催しま す. 開催日:令和3年10月22日(金) 詳細は本メールマガジンにて順次ご報告させていただきます. 【本センターに関する論文のご紹介】 [題目] :Drag reduction and transient growth of a streak in a spanwise wall-oscillatory turbulent channel flow [著者] :Aiko Yakeno [雑誌名他(URL等)] :Physics of Fluids, Vol. 33, pp. 065122 (2021) https://doi.org/10.1063/5.0050547 [概要] : 輸送機器の抵抗低減技術は流体工学の重要研究課題の一つであり続けている.中で も,スパン方向壁振動制御は最大で50%もの摩擦抵抗を低減し,その機構が解明され れば工学的に大変有用である.乱流状態での壁面摩擦抵抗は,壁近傍のストリーク構 造と縦渦構造からなる壁乱流準秩序構造が担っており,それらは再生成し続けている ことが知られている.近年,この再生成を司るのは,システムの非直交性によるエネ ルギー過渡増幅モードとして成長するロール渦がストリーク構造を生成することであ ることが判明した.そこで本研究では,振動制御影響下の非定常な基本流に対し,エ ネルギー過渡増幅モードの成長を調べることで,スパン方向壁振動制御が壁乱流再生 成機構そのものを抑制する効果があるか調査した.その結果,ストリーク構造の生成 は制御ストークス層の影響を大きく受け,追随する摩擦抵抗の原因となる縦渦構造は 弱化されると想定された.その際,縦渦構造の回転軸は外層流のせん断の方向から遅 延し,そのためエネルギー再分配は抑制される.その結果,摩擦抵抗は低減すると考 えられた.さらに,その傾きの遅延はスパン方向速度せん断の加速度により整理され るとしたところ,それに基づくより適用範囲の広い摩擦抵抗低減の予測式を提案する ことができた.以上の内容は,スパン方向壁振動制御機構を説明するだけでなく,解 析手法は今後様々な現象に適用可能である.以上により,制御影響下では乱流または 層流の流体安定性が変化し,摩擦抵抗をもたらす渦構造の発生に作用することが,摩 擦を低減する要因の一つとなっているという,プレディターミンドな制御による一連 の摩擦抵抗低減機構に対する統一的理解を見いだした. 【連絡先】 東北大学 大学院工学研究科 次世代航空機研究センター事務局 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01 TEL: 022-795-7998 FAX: 022-795-7998 E-mail secretary-klab【@】tohoku.ac.jp (【】削除してください) URL: http://www.next.mech.tohoku.ac.jp/ (*)本メールへの返信はご遠慮頂き、お問い合わせは上記アドレスにお願いします。