東北大学大学院工学研究科次世代航空機研究センター関係各位 【お知らせ】 2020年4月より内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム「統合型 材料開発システムによるマテリアル革命」のうち、研究開発課題名「多機能CFRPの開 発による高付加価値化」において、スーパーコンピュータを活用し、航空機用の炭素 繊維強化プラスチック(CFRP)の開発を加速するマテリアルズインテグレーションシス テムの研究開発を開始しています。本研究開発では、次世代航空機用複合材料の開 発・製造コスト・期間を従来の50%以下に低減し、国際競争力強化への貢献を目指し ます。 参照Website: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/07/press20200701-01-NEC.html https://jpn.nec.com/press/202007/20200701_01.html 【本センターに関する論文のご紹介】 [題目] :Multifidelity Modeling of Deployable Wings: Multibody Dynamic Simulation and Wind Tunnel Experiment [著者] :Otsuka, K., Wang, Y., Fujita, K., Nagai, H., and Makihara, K. [雑誌名他(URL等)] :AIAA Journal, Vol. 57, No. 10, 2019, pp. 4300-4311. (DOI: 10.2514/1.J058676) [概要] :次世代旅客機,火星探査航空機,衛星航空機といった次世代航空宇宙構造 物は飛行中にヒンジジョイントで結合された翼を折り畳み展開する.折り畳み展開の ように大変形・大回転する流体構造連成解析は計算コストが高く,連成法も複雑で あった.そこで本研究では,近年着目されている非線形有限要素法Absolute Nodal Coordinate Formulation (ANCF)に着目した.ANCFは航空機解析で一般的なオイラー 角などの代わりに勾配ベクトルを用いることで,計算を発散させる特異回転角を排 し,質量行列を一定に保ったまま,大変形・大回転を表現でき,なおかつヒンジジョ イントを表現する数式を簡便な形で表現できる利点がある.一方で,勾配ベクトルの 使用は,1要素当たりの自由度を不必要に増加させ,固い解を算出するロッキングを 引き起こしてしまうため,計算効率が良いとは言えない.そこで,本研究では翼断面 の非対称形状に着目した自由度低減とロッキングを防ぐInternal Constrain Equations (ICE)を併用した非線形有限要素法Asymmetrically Gradient Deficient ANCF-ICEを提案し,少ない自由度で大変形・大回転を精度良く解析できるようにし た.さらに,この非線形有限要素の形状関数と節点変位をかけ合わせるだけで,流体 力の作用点や翼面上の格子点を容易に抽出できる流体構造連成法を提案し,大変形時 も空気力を計算できるUnsteady Vortex Lattice Methodと連成させた.この連成解析 を東北大学流体科学研究所の低乱熱伝達風洞における翼の展開実験で実証した. 【連絡先】 東北大学 大学院工学研究科 次世代航空機研究センター事務局 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01 TEL: 022-795-7998 FAX: 022-795-7998 E-mail: next@klab.mech.tohoku.ac.jp URL: http://www.next.mech.tohoku.ac.jp/ (*)本メールへの返信はご遠慮頂き、お問い合わせは上記アドレスにお願いします。